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「アトリエ パ・ド・シャ」みちくさ日記コーナーへようこそ! ここではピアノにこだわらず、コンサートやイベントの感想、本や仕事のこと、そして、介護やその日に思ったことなどをつづってゆきます。


by NAOKO
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劇団カンタービレ「夏の終わりに」の楽日に行ってきました!

9月もあっという間に1週目が過ぎて、今日から2週目ですね。例年はまだまだ暑いのですが、今年はなんだかちょっと秋の気配も感じます。
ということで、ゲージツの秋ですね!(笑) これからはクラシック音楽も新シーズンのプログラムが目白押しだし、いろいろなコンサート、リサイタル、ダンス、そしてお芝居などの情報が入ってきます。その第一弾というわけじゃないのですが、昨夜、お世話になっている異業種交流会「横八会」で知り合った友人・石田美佳さんが久しぶりにお芝居に出るっていうんで、その楽日に中目黒のウッディシアターというところまで行ってきました。
このウッディシアター、ときどき打ち合わせで伺うショパン編集部のある中目黒にあるのですが、知りませんでしたね~。お芝居とかコンテンポラリーなどのダンス専用のような、なかなか使い勝手のよさそうな小さな小屋ですよ。しかも当日は目黒のサンマ祭り? お神輿を横目で見ながら、シアターに入りましたよ(笑)。
さて、そのお芝居はですね、自殺の名所といわれる三国岬が舞台。そこで昔警察官の男が、助けられなかったカップルの子供を拾うところから始まります。テーマは、うん、はっきり言って重たい。日本の自殺者は先進国の中で圧倒的に多いそうで、その多さに怒りと悲しみから、「死んではイカン」というメッセージをこめたもの。私は、難しいテーマをうまく料理していたと思いました。だって、真正面からぶつかると、本当はちょっと逃げたいテーマじゃないかな? 途中であれこれ考えだしちゃうと、お芝居自体を楽しめないし。考えさせるメッセージと言っても、やっぱり舞台なんだから、観ていて飽きちゃったら元も子もない。時々笑いもないと疲れるし、第一「ツマンナイ」って思っちゃったら肝心のメッセージが伝わりません。だから、最初、なんだこのあまりにせっかちな「間」のセリフ回しは……と思ったのですが、そのテンポが、「途中で考えさせない」要素になっていたんだな~と思うわけです。それにあのテンポの速いセリフは、まかり間違うと、何言ってるかわからなくなるという危険性もあると思うのですが、そこが流石に練習を重ねたプロなわけで、ちゃんと小気味よく聞かせてる。
登場人物は、医大に何度も失敗してすっかり自信喪失しイジケ切ってるぽっちゃり系の浪人生、危うい友情の三人娘、派遣切りにあって車上生活をしている多重債務者、事実無根の中傷をネットに書かれて傷ついた元CAの女優、認知症の義母をひとりで介護し経済的にも精神的にも崖っぷちの義母娘、自殺サイト運営のひきこもり少年、そして、地元の警察官と民宿の人たちほか…。彼らが、元警官が経営する民宿に集うんですね。確かに今の日本社会が抱えている病巣そのものです。
ところで、この民宿の隣の土産物屋の姉ちゃんがまたイイ味出してるんですね。民宿自体なんだかレトロな佇まいだし。なんだか古き良き昭和の雰囲気。まだまだ人と人のつながりにぬくもりがあった時代。あの時代から何かを忘れてつっぱしってしまった結果とも言える現代。どこか懐かしい雰囲気に、実は戻りたいと思っている人たちが多いのかも……と思ってしまうのでした。
by dream524 | 2009-09-07 23:55 | 友人・イベントなど